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解離性障害とは

staff コラム

障害者支援や障害者福祉における「解離性障害」とは、自分の記憶や意識、感情、自分が自分であるという感覚などが、一時的にうまくつながらなくなることで、日常生活にさまざまな困難が生じる精神疾患の一つです。

「解離」とは、本来ひとつにつながっているはずの記憶や意識、感覚などが切り離されたような状態になることを意味します。

強いストレスや大きな心理的負担などが関係して起こることがあり、本人の意思で症状を起こしたり、簡単に止めたりできるものではありません。

 

解離そのものは、必ずしも病気だけに見られるものではありません。

たとえば、何かに夢中になって周囲の声が耳に入らなかったり、考え事をしながら移動していて途中のことをあまり覚えていなかったりするような経験は、多くの人にあります。

しかし、こうした状態が強く現れ、記憶や生活、人間関係、仕事などに大きな影響を及ぼすようになると、専門的な治療や支援が必要になる場合があります。

 

解離性障害の症状は人によってさまざまです。

代表的なものの一つが、過去の出来事について重要な部分を思い出せなくなる症状です。

単なる物忘れとは異なり、特定の時期や出来事について記憶が抜け落ちていることがあります。

また、「自分が自分ではないように感じる」「自分の体を外側から眺めているような感覚がある」と感じることもあります。

さらに、周囲の景色や人が現実ではないように感じたり、時間の感覚が分からなくなったりする場合もあります。

 

解離性障害にはいくつかのタイプがあります。

たとえば「解離性健忘」では、強いストレスなどに関連する重要な出来事を思い出せなくなることがあります。

また、「離人感・現実感消失症」では、自分自身や周囲の世界に対して現実感が薄くなる状態が続きます。

「解離性同一性障害」では、自分自身についての感覚や行動、記憶などに大きな分断が生じることがあります。

ただし、症状の現れ方は一人ひとり異なるため、周囲が症状だけを見て判断するのではなく、医療機関で適切な診断を受けることが大切です。

 

障害者支援や障害者福祉の場では、解離性障害のある人に対して、まず安心できる環境を整えることが重要になります。

強いストレスや緊張によって症状が現れたり強くなったりすることがあるため、本人を急かしたり、無理に過去の出来事を話させたりすることは適切ではありません。

本人が現在感じている困りごとを丁寧に聞き、その人のペースを尊重しながら支援していくことが求められます。

 

また、解離性障害は外見から分かりにくいため、周囲から誤解されることがあります。

記憶が抜けてしまったことについて「忘れたふりをしている」、反応が乏しいときに「話を聞いていない」などと思われてしまうこともあります。

しかし、これらは本人が意図的に行っているとは限りません。周囲が症状の特徴を理解し、本人を責めないことが安心につながります。

 

就労支援では、本人の状態に合わせて仕事量や勤務時間を調整したり、落ち着いて休める場所を用意したりすることが考えられます。

強い緊張を感じやすい業務を避けたり、仕事内容や予定を分かりやすく伝えたりすることも、働きやすさにつながる場合があります。

大切なのは、診断名だけを見て一律に対応するのではなく、本人がどのような場面で困っているのかを確認しながら必要な配慮を考えることです。

 

解離性障害への対応では、福祉だけでなく医療との連携も重要です。

精神科や心療内科などで専門的な診察を受け、必要に応じて心理的な治療などを行いながら、福祉サービスによって生活や就労を支えていくことがあります。

症状の背景や程度によって必要な支援は異なるため、医療、福祉、家族などが連携して本人を支えることが大切です。

 

このように、解離性障害とは、記憶や意識、感情、自分自身についての感覚などのつながりが一時的に失われることで、生活に困難が生じる精神疾患です。

目に見えにくく、周囲から理解されにくい面がありますが、本人が安心できる環境を整え、適切な医療や福祉の支援につなげることで、生活の安定を目指すことができます。

障害者支援や障害者福祉では、症状だけに目を向けるのではなく、その人自身の気持ちや生活上の困りごとを理解し、一人ひとりに合った方法で支えていくことが重要です。

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